ジミ・ヘンドリックスのビニール盤収集 完全ガイド
ジミ・ヘンドリックスはロックギターを革新し、現在でも世界中のビニール盤コレクターから熱望される伝説的なカタログを残しました。1963年から1970年までの短いキャリアながら、スタジオ・アルバムやライブ録音は本格的なロック・コレクションに欠かせない存在です。特に1960年代後半のオリジナル・プレス、英国のTrack Recordsや米国のReprise盤は高値で取引され、ロック史に残るアイコニックなアルバムを象徴します。
ビニール盤で押さえておきたい必須アルバム
ヘンドリックス・コレクションの出発点はスタジオ三部作――'Are You Experienced'(1967)、'Axis: Bold as Love'(1967)、'Electric Ladyland'(1968)です。'Are You Experienced'には 'Purple Haze' や 'The Wind Cries Mary' といった革新的な楽曲が収録され、UK盤とUS盤では収録曲順やジャケットが異なるため両方とも人気があります。'Electric Ladyland' はもともとゲートフォールドのダブルLPで、'All Along the Watchtower' や 'Voodoo Child' など、創作の絶頂を示す演奏が収められています。追悼後に出たライブ盤 'Band of Gypsys'(1970)は、Buddy Miles と Billy Cox をフィーチャーしたヘンドリックスのファンク/ロックの荒々しい魅力を伝える重要作です。これら四枚は真性のヘンドリックス・コレクションの基礎となります。
希少で高値のプレス盤
最も人気の高いプレスは、1967年の英国Track Recordsによる 'Are You Experienced' のモノラル/ステレオの初期プレスで、ミント状態なら数千ドルに達することがあります。英国初回プレスはサイケデリックなカバー写真と米国盤とは異なる曲順が特徴です。1967〜1968年の米国Repriseのモノラル初版も価値が高く、モノラル仕様は早期に生産中止になったため希少です。英国の 'Electric Ladyland' のヌード写真ジャケット(撤回・差し替えられたもの)は極めて稀少で高額になります。米国ではRepriseのスチームボート・ラベル、英国ではTrackの虹色ラベルを確認すると初期あるいは初回プレスである可能性が高く、プレミア価格がつきます。
収集のコツ
オリジナルのヘンドリックス盤を確実に見分けるには、ランアウト・グルーヴ(カッティング済みの溝)に刻まれたマトリクス番号を入念にチェックすることが重要です。プレス工場や製造年の手がかりになります。英国Trackの初回プレスはモノラル盤で通常 '612' で始まるマトリクスコードが見られ、Repriseの米国盤は 'RS' や 'R' で始まるコードを使うことが多いです。ラベルの違いも重要で、初期のRepriseラベルは小さなスチームボートロゴを特徴とし、のちのプレスではロゴサイズやデザインが変わります。'Electric Ladyland' はゲートフォールドの作りやポスターなどの挿入物の有無を確認してください。付属品の有無や収録の完全性が価値を大きく左右します。
価格ガイドと市場動向
近年の相場では、状態がほぼミントの英国モノラル初回プレスの 'Are You Experienced' は通常 $1,500〜$3,000、ステレオ盤は $500〜$1,200 程度で取引されています。米国Repriseの初回プレスは良好な状態でステレオが $150〜$400、モノラルが $300〜$800 程度が目安です。ヘンドリックスのビニール市場は堅調で、特にモノラルや英国初版の価値は過去10年で安定した上昇を見せています。1970年代以降の再発や現代のオーディオファイル向けプレスは手頃な入門用となり、Analogue Productions や Classic Records の良質な再発は1枚 $30〜$100 程度で手に入ります。