The Doorsのヴィニール盤:コレクターズガイド
The Doorsはヴィニール収集家の間で高い人気を保つロックバンドで、1967年から1971年にかけてのサイケデリック・ロック作品は世界中のコレクターから注目されています。Jim Morrisonの象徴的なボーカルとRay Manzarekの特徴的なキーボードは、アナログ盤で特に魅力を発揮します。オリジナル・プレス、特にモノ盤やElektraの初期ステレオ盤はヴィニール愛好家に非常に人気があります。
必携のThe Doorsアルバム(ヴィニール)
どのDoorsコレクションもセルフタイトルのデビュー盤「The Doors」(1967)から始めるべきです。「Light My Fire」や「Break On Through」といった代表曲を収録しています。「Strange Days」(1967)や「L.A. Woman」(1971)もバンドの変遷とエネルギーを示す重要作です。「Morrison Hotel」(1970)はブルース・ロックへの回帰を示し、温かみのある有機的なサウンドでオーディオファイルに人気があります。「Waiting for the Sun」(1968)と「The Soft Parade」(1969)は、The Doorsのスタジオ作の核を成すアルバムです。
レア盤と高額なプレス
最も価値が高いDoorsのヴィニールには、デビュー盤のオリジナル1967年モノ・プレス(Elektra EKL-4007)があり、ミントコンディションなら$500~$1000に達することがあります。ゴールドのElektraラベルの初期ステレオ盤も人気で、デッドワックスに「W7」が刻印されているものはWinchesterでのプレスを示し特に注目されます。「Break On Through」の歌詞が編集される前の「uncensored」版のような極めて稀なバージョンも存在します。UK初版のElektra赤ラベルや異なるマトリクス番号のプレス、プロモ用のホワイトラベル、メンバーのサイン入り盤も高値が付きます。
収集のコツ
Doorsのプレスを確認する際は、必ずデッドワックスのマトリクス番号をチェックしてください。Elektraはステレオ盤で「ST-A-711268」のような特定のコードを使っていました。初期プレスはゴールドや赤のElektraラベルで「1855 Broadway」の表記があり、のちのプレスでは「962 N. La Cienega Blvd.」と記載されることが多いです。ラベルの違いは年代特定に重要で、バタースコッチ色のラベルは1960年代後半のプレス、グレーのラベルは1970年代の再発を示唆します。ジャケットの質感も確認しましょう。オリジナルは厚手のボール紙を使い、印刷の色味や彩度に特徴が出ることが多いです。
価格ガイドと市場トレンド
デビュー盤のオリジナル・モノ盤は状態により$150~$1000の幅があり、初期ステレオ盤は一般的に$50~$300で取引されます。「Morrison Hotel」や「L.A. Woman」といった後期アルバムのオリジナル・プレスは、良好な盤で$30~$100が平均です。封入品やほぼミントの個体にはプレミアが付き、市場は堅調に推移しています。近年は音質の良さで評価される日本盤の人気も高まり、日本盤は1枚あたり$75~$200程度で取引されることがあります。
主要なプレス盤とその違い
デビュー作『The Doors』のElektra盤で大きな分かれ目となるのは、モノラルかステレオかという点だ。ゴールドのElektraレーベルを使用した米国初期モノラル盤は、はるかに流通量の多いステレオ盤に比べて格段に少ない。コレクターは、後年のバタフライ・レーベルではなく、当時の仕様に忠実な厚手のボール紙ジャケットや、1960年代後半のElektraレーベル・デザインにも注目する。初期プレス盤では、マトリクス情報がランアウト(デッドワックス)部分に手書きや刻印で小さく記されていることが多く、ファースト・ジェネレーションのカッティングに見られる特徴と一致する。一方、後年の再発盤は、より整然とした標準的な刻印や、異なるレーベル表記になっていることが多い。 『Strange Days』も、レーベルの時期が重要になるタイトルだ。米国オリジナル盤はタン/ゴールドのElektraレーベルで、1970年代以降の盤ではバタフライ・レーベルに切り替わり、こちらのほうがはるかに見つけやすい。最初期のジャケットには、1967年後半のElektraの製造仕様らしいオリジナルの印刷や背表紙のスタイルが見られる。それに対して再発盤は、紙質がやや軽く、色の鮮やかさも少し控えめに感じられることが多い。 『Waiting for the Sun』と『L.A. Woman』では、オリジナルのElektraレーベルから、後年のバタフライ・レーベルや現行のRhino再発盤へ移行した点に注意したい。なかでも『L.A. Woman』は判別しやすい。米国初期盤の本物は、ダイカットの窓付きジャケットから黄色いインナーのイメージが見える仕様だが、後年盤の多くは、アートワークが概ね同じでも、構造や紙質、全体的な仕上がりが異なっている。
価格を左右する要素
価格を左右する最大の要因は、今なおコンディションだ。1970年代のバタフライ・レーベルによるDoorsのLPは、一般的なタイトルなら、きれいなニア・ミント盤でおおよそ25〜60米ドルになる。一方、グルーヴ・ウェアや書き込みがあったり、ジャケットが裂けていたりする盤は、15米ドルを下回ることもある。初期プレス盤では価格差がさらに大きくなる。静かなパッセージでの表面ノイズを買い手が重視するためで、とりわけ『The Doors』と『Strange Days』ではその傾向が強い。 希少性に関わる要素は、複数重なることで価格を大きく押し上げる。一般にファースト・プレスは後年プレスより高く評価されるが、フォーマットやプレス国がそれ以上に重要になる場合もある。デビュー作の米国モノラル盤は、標準的なステレオ再発盤とは別格で、コレクターズ・コンディションなら数百米ドルから、極上の個体では数千米ドル前半に達することもある。プロモ盤、とりわけ状態の良いホワイト・レーベル・プロモは通常、一般流通盤よりプレミアが付く。ただし、ジャケットの傷みや書き込みがひどい場合は、必ずしもその限りではない。 カラーヴァイナルや現代の限定盤も高値で取引されることがあるが、その価値を支えるのは歴史的重要性というより、希少性やパッケージの仕様だ。プレス国も重要で、状態の良い米国、英国、ドイツのオリジナル盤や、一部の日本盤には、それぞれ異なる買い手が付くことが多い。結局のところ、価格差を生むのは主に三つの要素だ。真の初期盤であること、音盤とジャケットの視覚・音質コンディション、そして付属品を含めてパッケージが完全かつ正しい仕様で揃っているかどうかである。