MF DOOMのヴァイナル収集 究極ガイド
地下ヒップホップの仮面の悪役、MF DOOMはヴァイナルコレクターの間で伝説的なカタログを残しました。KMDでの革新的な活動からソロ作、コラボレーションに至るまで、DOOMの作品群はレコードで聴く価値の高い創造性と影響力に満ちています。2020年の急逝以降、コレクターの関心はさらに高まり、文化的にも価値が増しているため、彼のヴァイナルは重要かつ高額なコレクション対象となっています。
必携のMF DOOMアルバム(ヴァイナル)
本格的なコレクションの出発点は、DOOMのデビュー作でありマスクのキャラクターと抽象的なプロダクションを確立した'Operation: Doomsday'(1999)です。MadlibとのユニットMadvillain名義による'Madvillainy'(2004)は多くの人にとって最高傑作と評され、史上有数のヒップホップ作品としても高く評価されています。'MM..FOOD'(2004)は遊び心と発想力にあふれたフードテーマのワードプレイが光る一枚です。Danger MouseとのユニットDanger Doomによる'The Mouse and the Mask'(2005)や、'Czarface Meets Metal Face'(2018)などのコラボ作も見逃せません。これらはいずれもDOOMの芸術性を理解するために重要なリリースです。
希少で高価なプレス(レア盤)
'Operation: Doomsday'のFondle 'Em Recordsによるオリジナル・プレスは極めて稀で、状態によっては数千ドルの値が付くことがあります。2004年のStones Throw初回プレス(カタログ番号STH 2065)の'Madvillainy'も非常に人気が高く、オリジナルアートワークが保たれた個体は特に高値になります。限定カラー盤やVMP(Vinyl Me, Please)限定エディションなどのバリアントも価値が上がっています。自身のレーベルMetal Face Recordsから出たインスト集'Special Herbs'シリーズは、セットで揃えるのが難しくコレクターの間で高額扱いされることが多いです。2000年代初頭の小規模レーベルからのリリースは少数しかプレスされていないことが多く、"聖杯"扱いになることがあります。
コレクションのコツ
MF DOOMのプレスを真贋判別する際は、必ずデッドワックス(マトリクス)刻印を確認してください。需要が高くオリジナルが少ないため、ブートが多く出回っています。Stones Throwのリリースは特徴的なカタログ番号やランアウトグルーヴのマスタリングエンジニアの刻印が目安になります。'Operation: Doomsday'や'Madvillainy'は特に非公式プレスが多いので注意が必要です。オリジナル盤は正しいレーベル表記やカタログ番号を持ち、付属のインサートやポスターなどが揃っていることが多く、偽物には欠けている場合があります。
価格ガイドとマーケット動向
2020年10月のDOOMの死去以降、MF DOOMのヴァイナル市場は大きく活性化し、多くのリリースで価格が2倍〜3倍になっています。オリジナルの'Operation: Doomsday'は状態により$1,500-$3,000で取引されることがあり、'Madvillainy'の初回プレスは通常$200-$400が相場です。主要アルバムの一般的なリイシューは$25-$40前後で比較的手に入れやすく、新規コレクターの入り口になっています。限定エディションやカラー盤はプレミアが付くことが多く、小売価格に対して$100-$300以上上乗せされる例もあり、DOOMの評価は今後も高まり続ける傾向にあります。
主要プレスとその違い
Madvillainyは、見た目だけで買うと最も間違った盤をつかみやすいDOOM作品のひとつだ。初期の米国盤Stones Throwは、ひとつの基準とされることが多い。厚手のティップオン仕様ジャケット、オリジナルのStones Throwロゴ、そして後年の再カットではなく初回マスタリングに一致するランアウトが、その特徴だ。後年の再発盤も決して正規品ではないわけではないが、バーコード入りのすっきりしたジャケット、異なるハイプ・ステッカー、そして簡略化されたパッケージを採用していることが多い。 Operation: Doomsdayも、細部をよく確認する価値がある。Fondle 'Emから出たオリジナル盤が真の初回盤で、後年のSub Verse盤やMetal Face盤と比べると、明らかに見つけにくい。コレクターが注目するのは、オリジナルのレーベル表記と当時仕様のスリーヴ印刷だ。後発盤のなかにはアートワークが変更されていたり、裏ジャケットのテキストが改訂されていたりするものもあり、デッドワックスを確認する前から初期盤と見分けやすい場合がある。 MM..FOODには市場でよく見かけるエディションがいくつかあるが、オリジナルのRhymesayers時代の盤は、ジャケットの仕上げ、背表紙のテキスト、レーベル・デザインによって後年のリプレス盤と区別できる。再発盤は基本的に同じアートワークを踏襲していても、色味や盤の重量が異なることがある。 Born Like Thisでは、通常、後年の再発盤よりもオリジナルのLex盤が好まれる。見分けるうえで手早く確認できるのは、Lexのレーベル・デザイン、初期盤に見られるバーコードの位置、そしてランアウトに刻まれたマスタリング情報だ。DOOMの作品に限らず、ハイプ・ステッカーだけを頼りにするより、レーベル面とデッドワックスを見比べるほうが確実だ。
価格を左右する要素
DOOMのレコード収集では、今もコンディションが価格を最も大きく左右する。ジャケットがきれいで背表紙に擦れがなく、再生時のノイズも少ないニアミント盤なら、同じタイトルのベリーグッドプラス盤の倍の値が付くこともある。特に暗くノイズが目立ちやすい箇所を含む作品では、その差が大きい。スリーヴがVG以下になると、リングウェア、割れた継ぎ目、角の潰れなどによって、人気タイトルであっても価格は大幅に下がりうる。 希少性が生まれる理由には、いくつか定番のパターンがある。とりわけ小規模なオリジナル・レーベルから出た作品では、真の初回盤が概して市場をリードする。カラーヴァイナルも価値を上乗せすることがあるが、それは限定盤であることが明確に記録されたヴァリアントに限られる。単なる後年の通常リプレスなら、必ずしもプレミアムにはならない。プロモ盤、アドバンス盤、そして一部の国別仕様も、実際に希少で、なおかつ識別可能であれば相場を上回ることがある。未開封だからといって、なかのプレスを確認できない盤が自動的に高く評価されるわけではない。 大まかにいえば、一般的なDOOMの再発盤は、状態がよければ25〜45ドル前後で取引されることが多い。主要アルバムの初期プレスのなかでも状態のよいものは80〜200ドル程度に達し、より希少なオリジナル盤や人気の高いヴァリアントになると、それを超えることもあり、場合によっては大幅に上回る。価格差を生むのは、結局のところプレスの履歴、コンディション、そして出品されている盤がどの仕様なのかを買い手がどれだけ容易に確認できるかだ。